家族の肖像

日本における写真の歴史は江戸時代末にさかのぼり、1857(安政4)年に薩摩藩主・島津斉彬が湿板により日本初の肖像写真を撮ったことは有名である。その後、地方へも写真技術とカメラは伝播し、旧氏家、喜連川では1877(明治10)年前後に残された写真から、その存在があったものと思われる。写真導入後は家族写真や、人生の節目における記念撮影などが行われ、現在でも引き継がれている。正月、お節句、入学、卒業、結婚など、それぞれの行事でカメラに収まる家族の表情は晴れやかでありながらも緊張が見て取れる。その中には、幾多の戦争で出征する家族との悲しい記念写真も残っている。家族の写真を小さく現像し、懐へ入れて、戦地へ向かった青年もいた。ここに残された人々がレンズを見つめるまなざしからはどのような時代がよみとれるであろう。現在の写真技術は、携帯電話搭載の高性能カメラが主流であり、時代とともに写真のスタイルは激変したといえる。

荒井寛方の父・素雲(左)(湿版写真)
1875(明治8)年
親子三代(湿版写真) 1884(明治17)年ごろ
母子の肖像(湿版写真) 1882(明治15)年
母子の肖像(湿版写真) 1883(明治16)年
瀧澤家の庭で
おめかしした三姉妹 大正時代
1914(大正3)年ごろ
1910(明治43)年
愛車とともに
祖父と孫
車の中で楽しくおしゃべり 1955(昭和30)年代
おすまし 1955(昭和30)年代
三世代の笑顔 1959(昭和34)年
1921(大正10)年 商家の店員
画家大貫鉄心
制服姿の兄弟と父母 大正時代
侍従御差遣記念塔を背景に 1955(昭和30)年代
例年にない大雪 1971(昭和46)年
七夕に家族写真 1951(昭和26)年ごろ
子どもの成長を願って 1945(昭和20)年代
親子三代 長久保下の停留所 1960(昭和35)年ごろ
健やかに育つことを願って
初めてのお正月 1961(昭和36)年
お爺ちゃん初めまして
寝る子は育つ
つぶらな瞳で見つめる 1965(昭和40)年
元気いっぱい遊んだ夜は眠い眠い
お店番 1960(昭和35)年ごろ
七五三 今宮神社にて 1970(昭和45)年
お祭り わっしょい
夏休み水遊びのあと 1970(昭和45)年代
荒川でキャンプ 知恵を絞って料理中
おもちゃの鉄砲で西部劇 1962(昭和37)年1月1日
ビー玉遊び 1962(昭和37)年2月
おっ、乗れた 1959(昭和34)年
お気に入りのクラシックカー 1965(昭和40)年代
お気に入りの三輪車 1963(昭和38)年
仲良しのお友達を呼んで 1977(昭和52)年