畠山持国奉書(畠山持国奉書)

(宝徳三年)(一四五一)年
差出 畠山持国
宛所 上杉憲忠

鎌倉公方・足利成氏の将軍・足利義政への申し入れについて、①成氏の官位昇進が決まった ②「綸旨」について追って仰せがある ③「足利庄」など関東の将軍家領について成氏の申し入れを承認するが伝えられた。


畠山持国奉書
釈文

以徳荷西堂条々仰之趣、具披露仕候、
一 御昇進・御上階事、即被進口 宣候、目出候、
一 綸旨事、披露仕候之処、追而可被仰出之由候、
一 足利庄以下同京家領知事、委細御申之趣、尤
  御本意候、重可被仰出之由候、
  此条々可然之様、可有御披露候、恐々謹言、
 二月廿(宝徳三年)九日     徳本(畠山持国)(花押)
 上杉右京亮(憲忠)殿

読み下し文

徳荷西堂を以て条々仰せの趣、つぶさに披露仕り候、
一つ、御昇進・御上階じょうかいの事、即ち口宣くぜんまいらされ候、目出候、
一つ、綸旨りんじの事、披露仕り候のところ、追って仰せ出さるべきのよしに候、
一つ、足利庄以下京家領知りょうちに同じき事、委細御申しの趣、尤も御本意に候、重ねて仰せ出さるべきの由に候、此の条々然るべきの様、御披露有るべく候、恐々謹言、